ネットの情報は嘘が多い
「タクシー運転手は1年目で半数が辞める」——そんな情報をネットでよく見かけるが、これは本当なのか?
兵庫で6年、東京で2年目に入る直前です、合計8年タクシー運転手をやってきた僕の実感で言うと、これは微妙。
俺の周りでは、1年後も同期や同僚はほぼ全員残っていた。タクシー業界は隔日勤務や夜勤があるから、シフトが違うと1年くらい会わなくなることもある。だから「あいつ辞めたのかな?」と思っても、健康診断や点呼場で久しぶりに顔を合わせることもよくある。
ランキング表がある会社なら、その表に名前があれば「まだ辞めてないな」と判断できる。その基準でランキング表を参考にしよう、あ、まだ、いるみたいな。運収は気にしない。逆に、ランキング表がない会社(俺が6年いた兵庫の会社はこのタイプだった)では、同期が今どうしてるか分からなくなることも多い。
じゃあ、なんでネットでは「1年目で半数辞める」と言われるのか?
簡単だ。タクシー業界のイメージが悪いから、尾ひれ背びれをつけてゴシップにしたい放題なんだ。世間のイメージが先行して、実態とかけ離れた情報が一人歩きしている。
しかも、タクシーは現金払いも、多いから、ネットで感想を書く客が少ない。電子決済なら後で評価が通達されるが、現金払いだとそれもない。だから、ネガティブな情報ばかりが目立つ。
実際、タクシー業界には社会不適合者も多い。知らない間に同僚が逮捕されていたこともある。そういう一部の事例が、業界全体のイメージを悪化させている。
でも、1年目で大量に辞めるわけじゃない。辞めるのは2年目以降、限界効用逓減期
最初の1ヶ月目で感じるキツさ
最初の1ヶ月は、普通にキツい。
ネットでよく言われるのは、「道を覚えられない」「客の当たり外れが激しい」「稼げない日が続く」といった不安だ。でも、俺が一番キツかったのは、トイレと休憩場所の問題だ。田舎に比べてなんでこんなトイレない、コンビニに駐車場ない、、、、だ。
都心に近づけば近づくほど、コンビニのトイレがない。客を乗せて走ってる最中にトイレに行きたくなっても、どこで済ませるか悩む。俺は基本的に都心に入れば駅のトイレを使う、コンビニは1つしかトイレがないから、他の客と取り合いになるし、待たれてる間の精神的苦痛もある。駅なら複数あるから、比較的快適だ。
ちなみに、会社によっては尿瓶(ペットボトル)を使う人もいるらしい。オムツ対策してる人もいるとか。俺はそこまでやったことはないが、トイレ問題は本当に読めないから、「何とかするしかない」精神でやってる。
もう1つキツいのが、隔日勤務が合う人・合わない人の差が激しいこと。
俺自身、隔日勤務は合わなかった。半年後に「このままじゃ事故る」と判断して、早く帰る働き方に切り替えた。何回も眠気で事故しそうになったからだ。
「そこまでして命預かって、稼がないといけないのか?」——そう自問自答したとき、俺は損切りを決めた。
隔日勤務が合わない人は多い。17時間運転なんて、大体の人には合わないだろう。慣れてる人は、もう変態くらいに思った方がいい。サーカディアンリズム(体内時計)は完全に崩壊する。
1〜3ヶ月目:少しずつ慣れてくる?
「1〜3ヶ月目で慣れてくる」——そんな情報もネットではよく見る。でも、正直に言うと、数ヶ月で慣れるなんて無理だ。
道を覚える?そんなの、23区はとてつもなく広いから、全員の家が違うし、全員の会社が違うし、全員の行き先が違う。突然首都高の入り口が閉鎖されることもあるし、山手トンネルで車が炎上してることもある。
3年走っても、俺は凡人だから自信ない。東京出身の人でも自信ないって言うくらいだ。
道を覚えるのは諦めて、ナビに頼った方がいい。お客さんも、金払う身分だから大体教えてくれる。道を間違えて料金が増えるのは嫌だからだ。
大事なのは、乗ってきたお客さんとのコミュニケーションだけ。
「わからないので、ナビ設定していいでしょうか?」「こんな感じで進みますが、いいでしょうか?」——こうやって確認すれば、ほとんどの客は文句を言わない。滑舌の悪い人や、声がやたら小さい人には注意だ。
3ヶ月〜1年:安定期に入るが、ここで分かれ道
「3ヶ月〜1年で月収が安定する」——これも、正直微妙だ。
俺の場合、最初の数ヶ月で40万超えた。でも、今は20万ギリギリ。ついに今月19万を割りました。体調不良と有給消化もあり。
なぜか?タクシー会社は給料還元率が急に変わるからだ。総会や親睦会、組合など、強制参加みたいなイベントもある。給料明細の表計算が合えばいいが、なかなかそうはいかない。
じゃあ、月20万の人と月40万の人、何が違うのか?
先輩曰く、「休憩を削るくらいはしてる」とのこと。連続配車アプリを回しっぱなしで、脳死レベルで走ってる人も多い。
でも、ランキング表上位にいる人に話を聞いても、長嶋茂雄さんみたいに「あーいくいく、感覚だよー」とか言われたら、さっさと損切りした方がいい。再現性のない成功者のアドバイスは意味がない。
稼げる場所って何?——全員行き先が違うんだから、誰も答えられない。ワンピースのシャーロットカタクリみたいに、少し先の未来が見える能力でもあれば別だが、そんなの無理だ。
結局、回数をこなせる人が一番強い可能性が高い、あくまで個人の感想、空車ずっとのストレスはしんどいので。
俺が以前の会社で叩き込まれたのは、「タクシーは待つ仕事や」という教えだ。
空車でずっと走り回ってガスを無駄にするより、駅で待機してた方が楽だし、ガスもあんまり減らない。基本的に、1万円の客なんてそうそう出ない。1,000円〜3,000円に慣れてれば十分だ。でも重なる時もある以前、10キロ20キロ、成田70キロって3回連続でイカれた距離も当たるくら日によるw
2年目が本当の勝負
「1年目で辞める人は少ない」と言ったが、2年目以降に辞める人は増える。
なぜか?
1年経つと、「タクシーってこんなもんか」と分かってくるからだ。あと減退効用逓減って言葉は大事にしてほしい。
ランキング表と戦うのも疲れる。1年経つと、新幹線から富士山を眺めるみたいに、「お^^^^^^^」って感じになる。もうどうでもよくなるんだ。もちろん人によるが、僕は真ん中あたりいたらいいなーって感覚
2年目で分かれるのは、「運収を大事にするか、体力を大事にするか」の選択。
運収重視の人は、稼いでる先輩について行って、銀座や羽田を研究する。体力重視の人は、隔日勤務をマックスまで走るのを諦めて、早めに切り上げる。どっちも自由
俺は後者を選んだ。損切りした。
ちなみに、洗車係になって本業の仕事に移る人もいる。
洗車係は、大体24時頃に帰ってきて、朝方まで洗車してる。勤務形態はよく知らないが、冬はしんどそうだ。でも、あれほど、みんなに貢献してる仕事はないと思います。
まとめ:タクシーは踏み台でいい
俺が8年続けられた理由は、「一人が楽」って感じたから。
兵庫県で同乗指導が終わって、「明日から一人で頑張って」と言われたとき、「え、こんな気楽なんだ?」って思った。同僚との揉め事もほとんどないし、朝礼がない会社なら出勤時間をずらして工夫もできる。以前の会社の同僚とか先輩は苦労しました。よかったら→人間関係構築記事
でも、8年やって思うのは、タクシーは踏み台でいいということ。
タクシーは定年以降も、でもできる仕事だ。焦る必要はない。今は、Uber Eats+出前館+タクシー+AIで副業の土台を作るのが、割と簡単にできる時代だ。無職状態でも月40万稼げる。
50万、100万の野望があるなら、パソコンを触れた方が絶対いい。
俺のブログは、「タクシーだけで生きるのか、タクシーを踏み台にするのか」がモットーだ。できれば、タクシーを踏み台にして、AIの時代に挑戦してほしい。
タクシー業界の「ここだけは絶対押さえとけ」3つ
最後に、これからタクシー転職を考えてる人に、絶対押さえておくべきポイントを3つ挙げる。
- できるだけランキング表がない会社を選べ
ランキング表があると、精神的にキツい。俺が6年いた兵庫の会社はランキング表がなかったから続けられた。面接で「ランキング表ありますか?」って聞いてみるといい。 - ボーナス・退職金がある会社を選べ
給料還元率は大体でいいが、ボーナスと退職金があるかは重要。大手に入るのが無難。 - 1人で仕事が好き?
タクシーは孤独な仕事だ。普通に同僚とランチしたいって、帰りに飲み会とか、ほぼ無い、多少仕事中、話したいと思っているなら、あんまり向いてない。
転職は、独身か既婚者か、家を買ったか、35年ローンがあるか——そういう個人の事情で全然変わる。
地元でタクシーやるのもいいし、首都圏(東京・神奈川)や名古屋、九州で2〜3回転職してみるのもいい。寒いのが耐えられるなら、北海道もありだ。
タクシーは、どこ行っても大体一緒。田舎でもいい月は40万稼げる。
あとは、自分の人生をどう設計するか次第だ。
これが俺のやり方だ。

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